アイリスでの暮らしを、ほんの少しご紹介します。
園での活動は、子どもたちの好奇心に丁寧に寄り添いながら、
その成長を毎日見守りつつ作っていきますので、年によってさまざまなかたちに発展していきますが、
おおまかな雰囲気をお伝えできれば……と思います。

木のおうちを作ろう
長年恒例になっているアイリスの伝統です。年長のつくしさんの部屋は、春にはまだ何もない白紙のキャンバス。暮らしの場所を作り上げるのは、子どもたち自身の楽しいお仕事です。木材の大工仕事もあれこれ試行錯誤して、いくつもの「おうち」が次第に出来上がっていきます。ドーナツ屋さんに、スーパーマーケット。手作りの商品が並んだら、お店を取材するテレビ局も生まれて、他の学年からもお客さんがやって来ます。


ガバチョでお買い物
創設者がデザイナーの手仕事で作った「本物みたいなお金」が、お店やさんでやり取りされる通貨「ガバチョ」です。自然発生するさまざまな遊びが、ガバチョを使ったお買い物ごっこを通じて、他の遊びや他の学年の子どもたちともつながり、長期的な活動に育っていきます。おつりを計算したり、値段を考えて広告のチラシを作ったり……いつの間にか、数字や文字も身近な存在に変わっていくようです。


夏のおとまり保育
何気ない日常のある日、子どもたちのもとに不思議な文字で記された手紙が届きます。そこから始まるのは、園庭の広さではできないような、森の緑の中で繰り広げられる、スケールの大きな冒険の物語です。暗闇にゆらめくキャンプファイアーの炎を見つめたこと、謎を解いて森じゅうを駆け回ったこと……たくさんの思い出を持ち帰って、今度は園での生活に、夢の物語の続きを子どもたち自身が作っていきます。


うんどうかい
お隣の公園をお借りして、思いっきり走ったり、複雑な組体操やダンスにも挑戦します。おとぎ話をテーマにした第2部は、物語の登場人物になりながら、ファンタジーの世界を自分の体で楽しみます。テーマの物語に親しむことから、運動会までの楽しみな毎日がスタート。運動が得意な子も、ちょっぴり苦手だったはずの子も、みんな当日はいきいきと目を輝かせて、おとぎの国の主人公になりきってしまいます。


焼き物を作ろう
限られた都会の自然の中でも、土を手でこねて五感を解放する喜びを味わってほしい……そんな創設者の願いから、「どろんこ遊び」の発展形として、作ったものがかたちとして残る陶芸を楽しんでいます。お店に並べるお寿司やおせんべいを作ったり、花を育てる鉢、演奏して遊ぶハンドベル、母の日のプレゼントにするコーヒーカップなど、子どもの暮らしから生まれた必要に応じて、さまざまなものを作ります。


お米と麦を育てよう
「ごはんは草になる実からできてるの? じゃあ、パンは?」子どもたちのそんな疑問から、稲と麦を小さなプランターで育てることになりました。実ったお米は、近所のお米屋さんに持っていって精米してもらい、おにぎりを作ってパーティーを開きました。麦はみんなで脱穀して、コーヒーミルで粉に挽き、年中さんはパン作り。年長さんはトマトやバジルも育てて、おいしいピザを作りました。


ペア活動
アイリスでは、「ペア活動」という5歳児と新入園児がペアになりお世話をする活動があります。特に入園当初、お子さまが一番心細い時期、お兄ちゃんお姉ちゃんが保育者と一緒に朝おでむかえをしたり一緒に遊んだりして寄り添ってくれます。大人ではなく、子どもと子どもがつながれることで、不思議と泣きやむ姿を見ることができます。